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バリとか沖縄とか

『オクターヴ』 田口ランディ(ちくま文庫)
『なんくるない』 よしもとばなな(新潮文庫)


先日読んだ本の内容が、なんだかシンクロしていて、
やっぱり南にいきたい、すごくいきたい、と思う今日この頃。

田口ランディの“オクターブ”と、よしもとばななの“なんくるない”。
二つとも、さらっっと読めちゃう本。
内容自体は、他の著作に比べると、私的にはあんまりパッとしない感じ。

でも、バリと沖縄の、雰囲気がすごく伝わってきて、
ユタとか魔術とか、そういうものに象徴される自然観、宗教観とか、
それが浸透している生活とか、濃い緑とか、その勢いのある感じとか。
システマチックではない、型にはまりきらない雑多な感じというか。
ともにひどく観光地化されてしまっていたり、
それで失われたものがたくさんあったり、
ちょっと行っただけだと、ひとつの側面しか見えなかったりするんだけど、
この2冊からはそうではない部分が見えてくる。
私にはなんとなくしか表現できない、だけど確かに感じる事柄を
言葉でつむいでくれる作家は、すごいなぁと思う。

溜まったマイルでも沖縄行こうかな~なんて思いながら、
2冊続けて読んだから、もうこれは南へ行けという事か、そうに違いない、と。
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by yebypawkawooo | 2007-06-04 23:11 | 日々のこと  

訪れられる側からの視点 

d0119787_919378.jpg『観光(Sightseeing)』 ラッタウット・ラープチャルーンサップ(早川書房)

 タイ系アメリカ人の著者が、タイを舞台にした様々な日常生活を、タイ人の視点から書いた物語。
 タイの情景が色鮮やかに目の前に広がって、観光客(裕福な日本人としての)の視点でしか見ることの出来ない私に、ある意味で訪れられる側からの視点を提供してくれる。その裏で巻き起こる数々の物語を、知る(知ったつもり)になることができる。そして南国のむわっとしたあの感じがよみがえる。

 どこか懐かしく感じるのは、そんなに遠くない昔、日本もきっと同じような日常があったからで、それがいつの間にこんなところに来てしまったのか、それとも東京という超BIG CITYにいるから、その感覚がより顕著に明確になるのか、それも一部ではあるのだろうけれど、そう遠くない将来、タイやその他東南アジア諸国が、日本のようになってしまうのだとしたら、それは果てしなく悲しく切ないと、わたしは思う。

 国際協力関係の職につく友人と、インドネシアを回る際にそのような話になり、国際協力が日本をコピーし量産するシステムなのだとしたら、私はそんなのは嫌だと、そういったところ、
 ―それは日本人のエゴだ。この国に住む彼らにしてみれば、もっと経済発展をと願っているし、もっと利便性の高い暮らしをしたいと願っているのだから―
と、彼はそうこたえたのだけど、そしてそれはよくわかる(いや、わかったつもりになっているだけかもしれないが)のだけれども、日本で平均イーブン、あるいはベターの暮らしはしているだろう、私の生活を鑑みた上でも、それでも私は思う。日本を量産するのは違うんじゃないの?と。経済発展が間違っているといっているわけではない。

 南国はものすごく色鮮やかで、鮮烈で、まぶしい。次から次に押し寄せてくる感じ。その激しさをベースにしたやさしさに、安心する。
日本はもっと穏やかで、淡く繊細だ。
文化や生活には、その土地の気候が、大きくかかわっているのだと実感した。
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by yebypawkawooo | 2007-05-20 09:18 | 日々のこと  

『ホノルル、ブラジル-熱帯作文集』

 d0119787_20303282.jpg『ホノルル、ブラジル―熱帯作文集』 菅啓次郎(インスプリクト)

私はどへ行くにも、本を持ち歩いていて、
今回バリへもっていったのは、この本ともう一冊。

結局、旅先ではほとんど読むことはなかったのだけど、帰国する飛行機の中、バスの中、家に帰ってからも読みすすめていくにつれ、自分の経験とあいまって、そうそうと頷く、もとい、再認識させられる事がとても多く。

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 ・全体は誰にも見通せない。 逆にいうと、あらかじめ与えられた「美」を
  「これが美なんだ」と信じこむ人は、結局、美しさに出会えずに終わる。
  美はあくまでも自分の経験として発見されるもの、
  発見しなくてはならないものでしょう。旅先でも、日常生活でも。

 ・世界のほとんどすべての街は、ひとりの人間の生涯にとって、
  ただ名前としてはじまり、名前として終わる。
  イスタンブールもブラザビルも、ダッカもレイキャビクもテグシガルパも、
  あるいはカブールやエレサレムも、・・・。

 ・ある傘の下にいるかぎり、その傘の存在は疑いの対象にもならないし、
  するとそれが世界そのものみたいに思ってしまう。

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この本は、著者が
「たぶんこれまででもっともamiableな(愛想のいい)本になったと思う」
とかいているとおり、読みやすく、でも色んな情景が目に浮かんで。

帰ってきたばっかりなのに、またどこかへ行きたくなった。
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by yebypawkawooo | 2007-05-05 20:34 | 日々のこと