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訪れられる側からの視点 

d0119787_919378.jpg『観光(Sightseeing)』 ラッタウット・ラープチャルーンサップ(早川書房)

 タイ系アメリカ人の著者が、タイを舞台にした様々な日常生活を、タイ人の視点から書いた物語。
 タイの情景が色鮮やかに目の前に広がって、観光客(裕福な日本人としての)の視点でしか見ることの出来ない私に、ある意味で訪れられる側からの視点を提供してくれる。その裏で巻き起こる数々の物語を、知る(知ったつもり)になることができる。そして南国のむわっとしたあの感じがよみがえる。

 どこか懐かしく感じるのは、そんなに遠くない昔、日本もきっと同じような日常があったからで、それがいつの間にこんなところに来てしまったのか、それとも東京という超BIG CITYにいるから、その感覚がより顕著に明確になるのか、それも一部ではあるのだろうけれど、そう遠くない将来、タイやその他東南アジア諸国が、日本のようになってしまうのだとしたら、それは果てしなく悲しく切ないと、わたしは思う。

 国際協力関係の職につく友人と、インドネシアを回る際にそのような話になり、国際協力が日本をコピーし量産するシステムなのだとしたら、私はそんなのは嫌だと、そういったところ、
 ―それは日本人のエゴだ。この国に住む彼らにしてみれば、もっと経済発展をと願っているし、もっと利便性の高い暮らしをしたいと願っているのだから―
と、彼はそうこたえたのだけど、そしてそれはよくわかる(いや、わかったつもりになっているだけかもしれないが)のだけれども、日本で平均イーブン、あるいはベターの暮らしはしているだろう、私の生活を鑑みた上でも、それでも私は思う。日本を量産するのは違うんじゃないの?と。経済発展が間違っているといっているわけではない。

 南国はものすごく色鮮やかで、鮮烈で、まぶしい。次から次に押し寄せてくる感じ。その激しさをベースにしたやさしさに、安心する。
日本はもっと穏やかで、淡く繊細だ。
文化や生活には、その土地の気候が、大きくかかわっているのだと実感した。
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by yebypawkawooo | 2007-05-20 09:18 | 日々のこと